(二種類の体温) 

 体温には、核心(core)温と外殻(shell)温があります。

 核心温すなわち深部体温は37.5℃くらいですが、日内リズムがあり、午前2~6時が最も低く、8~10時頃までに急激に上昇し、正午~18時に最高値に達してその後下降しますが、その変動幅は約1℃です。

 ヒトは一日で約2000kcalのエネルギーを消費して生命を維持していますが、その70~80%は、熱に変換され体熱となります。体内で産生された熱がまったく体外に放散されないと仮定すると、ヒトの体温は一日で70~80℃にまで上昇します。しかし恒温動物では、外気温に応じて熱放散量を調節して、体温をほぼ一定に保つことができます。(森本武利;“ヒトの体温調節”,繊消誌v.44, no.5, 2003)。

 (深部体温と睡眠)

 人体は睡眠時に深部体温を下げ、代謝を低下させて休息します。

 次図は睡眠潜時と深部体温の三日間にわたる測定グラフです。

出典:内山 真他;“ヒトの体温調節と睡眠”,日本温泉気候物理医学会雑誌,v.28(2014-2015),no.1

 

 睡眠潜時または入眠潜時とは覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間のことであり、短いほど眠りにつきやすく、深部体温が低くなることが睡眠にとって重要であることがわかります。
 では、人体はどうやって深部体温を下げているのでしょうか。次のグラフは、一日の直腸温と手足の温度変化を示したものです。
K. Krauchi, and A. Wirz-Justice; "Circadian rhythm of heat production, heart rate, and skin and core temperature under unmasking conditions in men", Am J physiology,Sep;267(3 Pt 2),R819-29,1994 より
 入眠の数時間前から手足の温度が上昇して熱を放散し、それに連動して深部体温が下がります。
​ ここでは揚げませんが、上記文献の測定によれば、近位(鎖骨下、大腿部、額)の皮膚温は、直腸温と同様の概日リズム(注)を示します。遠位(手足)の皮膚温は、それらとは逆の概日リズムを示します。
 (注)概日リズムとは、24時間周期で変動する生理現象のこと
 赤ちゃんが眠い時に手足が温かくなることが知られていますが、これは体内の熱を放散して深部体温を下げようとしているためです。
 また、北堂真子他;”暑熱環境下の夜間睡眠における微気流の冷却効果”,人間工学,v40(2004) 特別号,p384, では、快適な睡眠をとる際の四肢からの積極的な熱放散の重要性について言及してます。
 夏の夜は、外気温が下がっても室温が高くて、体内の熱をうまく放散できず、寝苦しい夜となります。

 夏の睡眠には深部体温を下げることが重要です。​

​ 人体は、手足から熱を放散して深部体温を下げています。

​エコクールマットは、

 水の気化熱によって手足から体の熱を奪い、夏の快適な睡眠をもたらします。

 
(熱輻射と発汗)
 人体からの熱の放散のし方には、輻射、伝導、対流、発汗の四種類があります。
 24℃における安静時の熱放散に占める割合は、対流および伝導が約10%、輻射が約67%、蒸発が約23%ですが、暑熱下では気道および皮膚からの蒸発が増加して、対流、伝導および輻射が約10%、蒸発が約90%になります(黒島晨汎;環境生理学,第2版,理工学社,1993)。
 赤外線領域での人体からの熱輻射はよく知られています。人体から出る輻射熱が周辺物体から出る輻射熱を上回ると、人体は輻射熱エネルギーを放散しますが、逆の場合、人体は外部環境から輻射熱エネルギーを吸収します。
 輻射熱エネルギーは、シュテファン・ボルツマンの式  S=σTexp(4)  が示すように、物体の熱力学温度の四乗に比例します。気温が30℃を越えてくると、外部の物体から人体が熱を吸収するようになります。
 高温時には、輻射、伝導、対流の熱放散機能は失われ、発汗が唯一有効な手段となります(森本武利;“ヒトの体温調節”,繊消誌,v.44,no.5,2003)。
 しかし、発汗によって人体からは水分とともにミネラルも失われ、放置しておくと熱中症となり、適切な治療を怠ると死に至ることもあります。熱中症になった時の対処法は、まず冷所に移動した後、氷嚢や冷水で体から熱を奪い、水分やミネラルを補給します。常温の水を体にかけ、風を送って気化熱で熱を奪うことも有効な方法です。
 東京都監察医務院の発表では、東京都23区で平成28年7月~8月に熱中症で亡くなられた方の3割が夜間でした。

​​ 暑熱下では「発汗」が体からの唯一の熱放散機能になり、熱中症の危険が出てきます。夜間も熱中症に注意が必要です。

​エコクールマットは、

 体内からの水分やミネラルの喪失を抑えて、気化冷却の恩恵だけをもたらします。

 
(夏の夜のエアコン使用の難しさ)

 気温の高い夏の夜は、睡眠時の深部体温がなかなか下がらず寝苦しい夜となります。

 特に、容積比熱の高いコンクリートは蓄熱性が高く、昼間蓄積した熱を夜間に室内にも放出します。ベッドや敷布団は熱を持って寝苦しく、寝具の温度や室内の気温を下げるために一般にエアコンが用いられます。

 良好な睡眠を得るためにエアコンを使用することは夜間の熱中症を防ぐ上で有効ですが、室内の冷気と屋外の暑気への暴露を繰り返すうちに、身体が急激な温度変化に対応しきれず自律神経失調症になることがあります。また、エアコンの使用状況調査によると、冷える、だるい、タイマーが切れて覚醒するという体験を持つ人が半数以上います。

 滞在する場所の気温差をできるだけ小さくし、かつ睡眠時に深部体温を下げて快適な睡眠をとることは、夏場の健康維持にとり重要なことです。

(エネルギー消費上の問題点)

 家屋は昼間蓄積した熱を夜間に室内に放散しています。エアコンは、この熱を室外に放出しなければならず、余分なエネルギーを消費しています。

 また、屋外へのこの排熱は都市部のヒートアイランド化の要因の一つとなっています。

​ 冷える、だるい、タイマーが切れて夜中に覚醒した経験のある人が半数以上います。

 設定温度が低いと自律神経失調症になる場合があります。​ エアコンは、余分なエネルギーを消費しています。

​エコクールマットは、エアコンと併用した場合、​新たな冷却手段を提供します。

 エコクールマットが、気化熱として体から奪った熱は、エアコン上で水蒸気が水になる際に凝縮熱として与えられ、室外に排出されます。 ​

​​ エコクールマットは、"水→水蒸気→水"という潜熱を介した「新たな冷却法」を提供します。

​​ エコクールマットは、エアコン設定温度を高めにして、自律神経失調症を抑制します。

(睡眠時の冷風とエアコンの稼働音)

 夏の睡眠時にエアコンを冷房運転をすると、冷風が体の負担となります。また、冷房運転を再開する時のエアコンの音で夜中に目を覚ますことがあります。

 

 エコクールマットは除湿(ドライ)モードで使用するので、吹き出し気流が微弱であり、体への負担が軽減されます。また、エアコンの稼働音もほとんど聞こえず、エアコンが冷房運転を再開する時に目を覚ますことがありません。

(乾燥)

 夏の睡眠時にエアコンを使うと、翌朝、喉が痛くなる場合があります。

 咽喉では粘膜にある線毛が、波打つような運動で細菌やウィルス等の異物をコンベアのように運んで除去しています。しかし、空気が乾燥すると粘膜の水分が不足して線毛運動が低下し、細菌やウィルスに感染しやすくなります。

 エアコンを使用すると、空気中の水蒸気がエアコン内で水となって湿度が低下し、相対湿度が40~50%くらいになります。粘膜の理想的な湿度は60%です。

 エコクールマットは水の気化熱で冷却すると同時に、エアコンによる湿度の低下を補い、喉の痛み等の乾燥による弊害を無くします。

 
(Qmaxと実際の接触冷感寝具)

 接触冷感とは、肌が素材に触れたときに”冷たく感じる”ことで、その指標にQmaxがあります。

 寝具でよく用いられるQmaxは、室温20℃のもと40℃に加熱した鉄板にセンサーを取り付け、素材に接触させた時の、熱の瞬間的な伝導量の最大値 Qmax(W/cm2)のことです。この値が大きいと、熱が伝わりやすく、触れた時に冷たく感じます。

 Qmaxは、室温20℃における熱伝導のし易さを示す指標です。接触冷感寝具は、気温が高くなると、身体から吸収した熱が寝具にこもってしまいます。さらに気温が上がると、冷たく感じなくなります。

(エコクールマットの表面温度)

 サーマルカメラの計測によれば、夏期の夜間に室温が30℃の部屋では、寝具や壁の温度は、32℃~33℃あります。

 室温30℃の時も、エコクールマット26~27℃を維持します。

 エコクールマットは、寝具上で安定した吸熱源として​機能し、次の二つの方法で除熱します。

 (1) マットに接触した手足から、体の熱を直接取り除きます。

 (2) 寝具にこもった体熱を、気化熱として除去します。

 エコクールマットを実際に使用した時のサーマルカメラ画像です。画像集の「エコクールマットのもう一つの除熱法」の中で、(2)の除熱法について詳しく述べています。
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(接触冷感マットとエコクールマットの吸熱力)

 接触冷感マットの温度は、室温かそれより高くなりますが、エコクールマットの温度は室温が30℃の時も、26℃~27℃です。

 接触冷感マットは、ネットのレビューをみると、ある程度気温が低くないと機能せず、冷たく感じる場合でも、"ひんやり感"の持続時間は5分程度のようです。

 エコクールマットは、気化熱で常に冷却するので吸熱量が多く、冷たく感じなくなるということは殆どありません。むしろエコクールマットでは、冷却力が強いため低体温症に注意する必要があります。筋肉が低体温症になると、戦慄(シバリング)という震えが起こり、進行すると筋肉が硬直化します。冷たすぎる時は、エコクールマットを脇に外して下さい。マットは、周辺空気とマット下の寝具を朝まで冷やし続けます。

(エコクールマットは身体から離れた状態でも、体熱を除く)
 接触冷感マットは​、気温が低い時は寝具が吸収した熱は周囲へ放散されますが、気温が高くなると熱が寝具にこもってしまします。

 エコクールマットは、寝具が吸収した熱を気化熱として使うことにより取り除きます。

 気温が高くなると、体の熱が寝具にこもってしまう。
 気温に関係なく、体熱はエコクールマットへ流れ、気化熱として消費される。

(マットに接触していた身体が移動した後の除熱のし方)
 エコクールマットの第一の除熱方法は、マットに接触した手足からの除熱です。

 接触冷感マットもエコクールマットも身体が接触しているとマットは熱を吸収します。ここでは、温度の高くなったマットから身体が移動した後の両者の違いをみます。

 身体の熱を吸収した接触冷感マットは、寝返りによって新たに空気に触れると、室温が低い場合は放熱しますが、室温が高いと放熱できず、熱が寝具にこもってしまいます。

 一方、エコクールマットは室温に関係なく気化熱で除熱します。
 

​ 接触冷感マット
​<熱伝導・対流>
エコクールマット
 <気化冷却>

 接触冷感マットでは、マットが吸収した熱は空気中へ伝導と対流によって移動します。気温が低い時は熱が放散されて、マットの温度が下がりますが、気温が高くなると、熱がこもった状態になります。このことはネット上のレビューでもみられます。熱がこもると、綿素材より暑く感じるというものもあります。

 一方、エコクールマットでは、吸収した熱は、水が気化する時の気化熱として使われます。この時、一般に気温は下降します。また、手足が動いた時、表面に僅かな水分が付着しており、この水分が蒸発する際も体から除熱します。水の気化冷却力は、25℃で1g当たり584calと非常に強力なので、​微量の水分でも除熱が可能なのです。気温が30℃になっても水の1g当たりの気化冷却力はほとんど変りません。

 接触冷感マットは、マットから熱を除くために体幹の動きが必要です。これは暑く感じると意図的に寝返りすることを想定しているようですが、ストレスとなるでしょう。接触冷感マットは、20℃における瞬間的な熱伝導量を強調しているものの、真夏の夜の気温のもとでの効果や使い方を示したものは見当たりません。エコクールマットは、手足の移動だけでよいので楽に動かせ、”深部体温と睡眠”のところで述べたように、体熱を放散しようと皮膚温の高くなった手足から効率よく熱を奪います。なお、睡眠中に起こる無意識の細体動は、体幹の移動を伴う寝返りより多いことも報告されています(久保博子他;青年男女の寝姿勢と体動に関する研究,日本人間工学会第49回大会2G1-1)。

(エコクールマットと接触冷感マットの技術比較表)​
​ 接触冷感マットは、熱が温度の高い所から低い所へ移動する”受動的除熱”と言え、除熱力は室温が高くなると無くなります。
 エコクールマットは、水の相変化に伴う気化熱による”能動的除熱”と言え、環境温度や使用時間に依拠しない定常的な吸熱・冷却源として機能し、除熱力は高温になっても衰えません。
 
また、入眠の際の四肢からの熱放散の重要性については、”深部体温と睡眠”のところで述べました。

​ 接触冷感寝具のQmaxは、20℃における熱の瞬間的な最大伝導量のことです。除熱方法は熱伝導であり、気温が高くなると熱は寝具に蓄積し、除熱が困難になります。

エコクールマットは、

 (1) 584cal/gという能動的で強力な気化冷却を行い、定常的な吸熱源として機能します。

 (2) 睡眠時に皮膚温の高くなる手足から除熱します。

 (3) 寝具が身体から吸収した熱はエコクールマットへ伝わり、気化熱として除かれます。

 (4) 奪った熱は室外に排出されます。排熱方法は、次の”蓄冷材寝具”にあります。

 
(蓄冷材)

 携帯型の保冷剤(蓄冷材)は、一般に約99%の水と高吸水性樹脂、防腐剤、形状安定剤を含んでおり、冷凍庫で一旦固化させた後使用します。0 ℃ における水の融解熱は他の物質と比べるとはるかに大きく80cal/gあり、主に氷が融解する時の潜熱で周囲から熱を奪って冷却します。

​ 蓄冷材の一種である無機水和塩(塩ジェル)が冷却マットとして使われています。塩化カルシウム六水和物は、融点が30℃で、融解熱は46 cal/gであり、氷の融解熱の約58%です。また、硫酸ナトリウム水和物は、融点が32℃で、融解熱は60cal/gです(化学工学会SCE・Net 編,”熱とエネルギーを科学する”, p189,東京電機大学出版局, 東京,2011)。

​ 一方、水の気化熱は、25℃で584 cal/gであり、氷の融解熱の7.3倍、塩化カルシウム六水和物の融解熱の12.7倍、硫酸ナトリウム水和物の9.7倍あります。

 エコクールマットと蓄冷材の技術比較表を示します。​
 冷却能力の違いは、一目瞭然ですが、気温の高い室内で身体から除熱を行う際、次に重要なのが奪った熱をどうやって排出するかという点です。
 蓄冷材は、融解熱として奪った熱を内部に蓄積します。氷水ではその時の温度は0℃、塩化カルシウム六水和物は30℃です。0℃の氷水は常温になるまで冷却能力があります。常温になった蓄冷材は、人体から潜熱に伴う特別な吸熱を行うことはなく、冷却材として十分に機能しません。(a) 寝具がマット内の蓄冷材から熱を奪って再結晶化させるとしたら、液化した蓄冷材がなくても寝具は人体から熱を吸収します。(b) 寝返りによって蓄冷材が室内空気に触れて固化するとしたら、潜熱の放出によって室温はその分上昇します。
 蓄冷材の冷却能力は、使用前に凝固させるために要した熱量、すなわち蓄冷熱量のみです。
 
 気化冷却のエコクールマットの排熱は、
 (1) 扇風機を併用した場合
 熱を奪って活性化した水すなわち水蒸気は、自然換気によって室内から出てゆきます。
 (2) エアコンを併用した場合
 空中の水蒸気がエアコンの熱交換機上で水になる際に、体から奪った熱を凝縮熱としてエアコンに与え、屋外に排出されます。
 エコクールマットは、適切な湿度または送風によって、マット下の寝具の温度を26℃~27℃に維持し、寝具が身体から吸収した熱も取り除きます。そして、取り除かれた熱は室外に排出されます。
 エコクールマットは30℃の室内で9時間後も冷却能力があります。
 第三に重要なのは、寝具としての​柔軟性です。蓄冷材は固化、結晶化するために固くなりますが、エコクールマットは柔軟です。
 第四に、蓄冷材は​使用する数時間前に、冷凍庫か冷所で蓄冷材を冷やす必要があります。一方、エコクールマットは直前にタオルを濡らしてセットするだけであり、事前に冷やし忘れて使えないということはありません。

​ 融解冷却の蓄冷材は、冷却能力が80 cal/g 以下で、体から奪った熱は内部に蓄積され、寝具としては固く、使用の数時間前に冷所で固化させる必要があります。

エコクールマットは、

(1) 584 cal/g という能動的で強力な気化冷却を行います。

​(2) 1gあたり、無機水和塩蓄冷材の10倍の冷却能力があります。

(3) 奪った熱は室外に排出されます。 

(4) 寝具として柔らかく、使用直前にタオルを水に濡らしてセットするだけで使用できます。​

(5) 室温30℃で扇風機またはエアコン使用の場合、9時間後も冷却能力があります。

 筋肉疲労の初期に患部を冷やすと、炎症を抑え、痛みを鎮める効果があります。
 貼布型冷湿布で皮膚表面の温度が数度低下するのは、湿布に含まれる水の気化熱によるものであることが知られています。
 貼布型冷湿布は、貼ったままにしておくと、皮膚からの熱放散機能を妨げてしまいます。また、消炎鎮痛効果のある薬剤には副作用があり、長期の連用はできません。

 エコクールマットは、保持できる水分の量が多く、強い冷却効果があります。

 また、副作用が無く長期に渡って使うことができます。

 さらに、再利用ができるので経済的です。

 なお、筋肉疲労の初期には、冷やすだけでなく、踵(かかと)伸ばしのストレッチやふくらはぎのマッサージを行うことをお勧めします。

​ 貼布型の冷湿布は、含まれる水の気化熱によって

​体表面の温度が下がりますが、冷却時間が短く、

含まれる薬剤でかぶれる場合があります。

​エコクールマットは、

 保持された多量の水の気化熱で、足の疲れを癒します。

​ かぶれ等の副作用がなく、​繰り返し使用することができます。